実は自分にも一年ほどのニート生活時代があった。
20歳からゲーム業界でグラフィックの仕事を25歳までして、ゲーム業界の実情というかあまりの忙しさに嫌気がさしたのもあり三つ目の会社を辞めた時点で北海道へ帰ってきた。
それから一年ほど、実家でニートっぽい生活をしていた。
一応、HP制作などの細かい仕事はしていたのだが、大概は知り合いに頼まれてしていたので厳密に仕事とは言えない程度の事しかしていなかった。
なにか自分の中で人生に疲れていたのは事実あったと思う。
何をやっても心から楽しめず働く意欲も沸かず就職活動もせず毎日家でゴロゴロしたり。
たまに出かけても犬の散歩や近くのコンビニに買い物に行く程度。
この頃は、今ほどニートという言葉も認知されていなかったのであの当時の言い方なら引きこもり青年であったろう。
この一年は確かに周りから見たら無駄な一年に見えるかも知れないが、あれから五年以上経った今なら、自分なりに意味のある一年だったと思う。
何となくゆったりとした時間が流れて、英気を養うには十分な時間だったし、それまでの急ぎすぎていた人生観を180度換えるには十分な時間だったと思う。
そして今ならはっきりと、東京にいた頃の自分は頑張りすぎていたのではないかと思う。
自分の夢に向かってがんばっていたと言うのもあるが、頑張りすぎて周りが見えていなかった面も色々あったのでは無いか。
そんな事を最近は思う。
確かにあの頃は仕事もしたし、遊びもした充実した時間があった。
でも結果的に疲れ果てて、何もしたくなくなる時期が来た。
もっとゆっくり進めなかったのか?そうしていたらもっと違う人生もあったのではないか?
決してあの頃を後悔はしていないが、これからの人生はもっとゆっくり生きていこうとニート生活の中で思った。
そしていまはその通り、仕事も遊びも色んな事をバランス良く”適当”に暮らしている。
世界に目を向けて見ても、何かにせかされるように生き急ぐ人が多い。
もっとスローライフを楽しめる時代になれば良いと思う。
最近は特にそう思う。

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